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(住宅改修)
バリアフリー頼んだものの…
不満目立つ住宅改修
段差残り「かえって危険」
介護保険を利用した住宅改修のトラブルが増えています。住宅改修は「在宅介護」を実現する大切な方法のひとつですが、役に立たない改修や手抜き工事が後を絶ちません。トラブルを防ぎ、適切な改修をするにはどうすればいいのでしょうか。


●リウマチのため自宅でも杖を使う、
要介護認定で「介護1」の女性(76)の場合。


室内の段差がつらくなり、ケアマネージャーに住宅改修を相談したところ「要介護者住宅工事専門店」である工務店を紹介されました。
しかし、納得できない改修ばかり。例えば、食堂と廊下のドアは高さ3cmの敷居がなくなるはずだったのに、ずさんな仕上げで1cmほどの段差が残りかえって危ない状態に。ドアと床にすき間もできてしまいました。
玄関には踏み台と手すりを取り付けてもらいましたが、双方の位置関係が悪くて手すりが邪魔になり、かえって上がりにくい状態に。廊下と寝室にある14cmの段差も、手すりを2本取り付けただけで結局自分で電話帳を踏み台代わりに使っている状態です。


国民生活センターの調査では、介護のための住宅改修をめぐるトラブルは多発しており、2001年度の相談件数は前年に比べて倍増しています。その背景としては、
◇事業者指定制がなく、経験・知識のない業者が入り込んでいる
◇お年寄りが頼りにするケアマネージャーの住宅改修の知識が不十分
◇専門家による助言・監視が制度に組み込まれていない
などがあげられます。

高齢者の在宅問題に詳しい一級建築士・安楽玲子さんは「ケアマネ・業者への研修とともに、改修をチェックできるプロの育成も急務です」と指摘。一方、介護の知識をもつ建築士や理学療法士、作業療法士らを「住宅改修アドバイザー」とし、事前相談に応じてもらうなど独自に知恵を絞る自治体もあります。
(7月10日/朝日新聞より)


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