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(主張)
「電子投票」バリアフリー忘れないで
東京大学先端科学技術研究センター助手 村田拓司
 岡山県新見市で全国初の電子投票があった。私自身が視覚障害者で、障害者の参政権の見地から電子投票に注目してきたので、現場の空気を体感すべく新見の地を踏んだ。大多数の有権者、特に電子機器が苦手とされがちな高齢者からも、従来より投票しやすくなったとの声を聞いた。

 この成功は高齢者・障害者に配慮した投票機の採用による面が大きい。何度も開いた評価会での利用者の声を生かして改良を重ねた結果、わずか5つのキーで操作でき、浮き出し記号と点字説明があり、点字の読めない視障者にもわかる仕組みの投票機が実現。視障者はヘッドホンで案内を聞きながら操作し、候補者選択も思いのままの速さでできる。

 現行法では、投票機画面に顔写真が表示できないが、これは文字が不得手な知的障害者への情報保障の見地から再考すべきだ。目も耳も不自由な人への配慮も必要だ。参院比例代表選で多数の政党と候補者があるような場合の公平で効率的な表示など課題は山積している。
(8月4日/朝日新聞より)


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