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(タクシー)
福祉タクシー、白ナンバーOK
例外規定適用へ
 車いすや寝台で乗り込める「福祉タクシー」の運行がボランティア団体にも認められる見通し。現在はタクシーとして運行できない「白ナンバー車」や「普通免許」での営業は、道路運送法で原則禁止となっているが、国土交通省は許可を受ければガソリン代などの実費を「料金」として受け取れるようにする方針。来年初めの実現を目指す。

 同省によると、タクシー会社が運行する正規の福祉タクシーは1200業者の約2340台。10年前に比べると3倍近くに増えたものの、まだ供給不足。不足分は市民団体や各地の社会福祉協議会による移送サービスといった「ボランティア輸送」が埋めているのが実情。

 一方、ボランティア団体「東京ハンディキャブ連絡会」(東京都八王子市、伊藤正章事務局長)によると、全国で合計2200前後の団体や社福協が約3500台を走らせている。白ナンバーで普通免許が大半だが、使う車の種類も仕事の中身も福祉タクシーとほとんど変わらない。国交省も「需要に応えるには、ボランティア輸送が欠かせない」としている。

 道路運送法は自家用車による有償運送を禁止する一方で、「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合」は例外を認めると規定。いわゆる「白タク」を想定した法律だが、現場には混乱もある。

 需要に応え、こうした問題も解決するため、ボランティア団体の移送サービスに例外規定を適用することで、ガソリン代などの実費のほか、ある程度の運転者報酬も利用者に請求できるようにする考え。料金体系はタクシー業界とすみ分けできるよう調整予定。

 課題は、利用者の安全確保。損害賠償の態勢が整っていることを許可の条件にする考え。運転者の免許については、ボランティア側からは「普通免許での運行を認めて」との要望が強い。同省は2種免許を取ってもらうか、普通免許を認めるとしても一定期間無事故無違反の人に限定するなど安全性を確保する手だてを検討中。

(9月30日/朝日新聞より)


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