内容へリンク  

> トップページ > 話題の広場(全国の話題) > 2002年のバックナンバー> 全国の話題の詳細



(ユニバーサルデザイン)
だれもが使いやすい器求め
 だれもが安心して使える普段着感覚の器を使ってもらいたい。森山町の陶磁器デザイナー長谷川武雄さん(52)が、10月26日まで東京で開かれている「国際福祉機器展」にそんな思いをこめた新作の食器類を出展。すくいやすく、持ちやすい工夫を凝らした「LAKTAK(楽卓)」。器の温かさに使いやすさを加えたユニバーサルデザインで、使い手の側にたった器の普及を提案しています。

 長谷川さんは日用品の食器を中心に陶磁器のデザインや窯焼きを手がけてきました。工房のそばに2年前に開いた15坪のギャラリーには、白や青みを帯びた透明感のある磁器が100点以上。福祉機器のデザイナー仲間に影響を受け、食器をだれもが使いやすいようにと工夫したらLAKTAKにたどり着いたといいます。
 たとえば皿。平らな底の周りの縁を高くしているので、手の不自由な人でもスプーンですくいやすく、視覚障害者にも器の端がわかる。おわんは指がかかりやすいように底の高台部分を高くし、カップは取っ手を底につくまで大きくして握りやすくしました。

 今年の高校家庭科の教科書に、ユニバーサルデザインの食器としてLAKTAKが紹介されました。重い、値段が高い、割れやすい、と施設や学校給食などでは陶磁器の採用は敬遠されがちでも、「手になじむ使い勝手や、美しさ、デリケートな素材の扱い方など、使う側の立場で考えてみるのが大切では」と長谷川さんは提案しています。

(10月26日/朝日新聞より)


2002年のバックナンバー一覧へ戻る