身体に障害があったり、LD(学習障害)の子どもたちの教育はどうあるべきか。文部科学省の調査研究協力者会議は、障害にとらわれない「特別支援学校」をつくることなどを盛り込んだ中間報告案をまとめました。盲・ろう・養護学校に分かれている現在の制度を見直して、個々の子どもに応じて柔軟に支援することを目指します。
報告案は、障害の種類や程度に分けて教育の場を設けてきた従来の「特殊教育」の役割を認めつつ、障害の重度化や多様化などの変化を踏まえて検討。LDやADHD(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症など、特殊教育に含まれていなかった児童生徒も対象とし、「特別支援教育」と位置づけました。
そのうえで、盲・ろう・養護学校については、「特別支援学校」を設けられる制度を検討するよう言及。各自治体が地域の実情に応じて、どのような機能を持たせた学校にしていくかを弾力的に判断できるようにします。盲・ろう・養護に分かれている教員免許の見直しも求めています。
小・中学校の通常学級にはLDやADHD、高機能自閉症の児童生徒が6%ほど在籍すると指摘。学校が一体的に支援に取り組む態勢づくりや、関係機関との連絡調整にあたる「特別支援教育コーディネーター」を置くことなどを提言しています。
(10月22日/朝日新聞より) |