難病児とその家族を支援するNPOが、病気や障害を持つ子の兄弟姉妹について調査した内容を本にまとめました。両親が看病にかかりきりで、寂しさから暴力的になったり、赤ちゃん返りするなど、子どもたちの心の傷が浮き彫りにされています。
出版されたのは「ぼくたちきょうだい児」。本には聞き取り調査した様々なケースが紹介されています。
本をまとめた「キッズエナジー」は1999年から難病児が外遊びする機会を提供。活動のなかで闘病児の兄弟の問題に気付き、こうした子どもを「きょうだい児」と定義。「きょうだい児の存在は見過ごされがち。心のケアなど支援策を考えるきっかけになれば」としています。
昭和女子大の鵜養啓子教授(心理学)は「子どもは寂しさを反抗や変わった行動で表現することも多い。家族や医療関係者は、きょうだい児の心の傷について認識を深める必要がある」と話しています。
(6月21日/読売新聞より) |