障害者の法定雇用率(1.8%)を達成していない企業名などの情報公開を障害者団体関係者と朝日新聞などメディアが求めたのに対し、厚生労働省東京労働局は東京都内に本社のある未達成企業約9千社の社名と雇用率などの一覧を公開しました。
公開を求めていたのは、障害者インターナショナル日本会議(東京都千代田区)。公開されたのは、2000年6月1日現在の雇用率などで、法定雇用率の対象となる従業員56人以上の企業1万2512社のうち、未達成企業は7割を超える9040社。未達成企業のうち、朝日新聞が従業員3千人以上の大手の雇用率を単純に平均したところ1.29%。
障害者雇用率の情報公開について、厚労省はこれまで企業名は非公開としてきました。ただし、未達成企業のうち雇用率が特に低く、改善指導にも従わない企業の名は社会的な制裁の意味で公表。情報公開で未達成の企業名が出れば、指導に従わない悪質な企業と混同されて指導の効果が薄くなるとの判断で、情報公開にはこれまで後ろ向きでした。
<法定雇用率> 障害者雇用促進法は、従業員56人以上の民間企業に、全従業員の1.8%以上の身体障害者か知的障害者を雇うことを義務づけています。精神障害者は対象外。未達成企業(従業員301人以上)は不足人数1人につき、月額5万円を支払います。国や地方公共団体の法定雇用率は2.1%で、2002年度の雇用率は2.35%。
(9月8日/朝日新聞より) |