厚生労働省は9月18日、特別養護老人ホームや保育所、救護施設など、今後建設するすべての社会福祉施設に木材を利用していく方針を固めました。ゆとりある居住環境と施設サービスの質の向上が狙いで、来年早々にも学識経験者らを交えた「社会福祉施設の整備に関する在り方検討会」を設置します。
これまで福祉施設は防災上の問題などから鉄筋や鉄骨が主流でしたが、最近になって木材が持つぬくもりと潤いが施設利用者らの心理、情緒面にプラス効果があることが分かり、本格的な調査研究が必要と判断されました。
検討会は手始めに全国の福祉施設の実態を調査。さびれた中心市街地での施設整備、建材の接着剤や塗料などによるシックハウス症候群への対応、施設運営でのサービス実施体制なども併せて研究。国では林野庁など関係省庁が木材利用促進のための連絡会議を設置。文部科学省が児童生徒の健康や環境面で有効だとして学校施設での利用促進を求める通知を出すなど、今後公共施設で木材利用が広がる可能性があります。
(9月19日/秋田魁新報より) |