聴覚障害を持つ学生に、遠くにいる支援者がインターネットを通じて、教師の話を同時筆記通訳するシステムが開発されました。
システムは、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)にあるコンピューターを介して、学校の教室と支援者をインターネットでつなぐもの。支援者は、教室のカメラが撮影した教師の映像と声を自分のパソコンで受け、言葉を次々と筆記通訳。これを教室にいる障害者の手元のパソコンや、教室の大型モニターに送る仕組み。1人では同時通訳が追いつかないため数人で協力することになります。
現在、聴覚障害者の筆記通訳は、支援者が障害学生について行っていますが、人材確保や費用などの課題もあります。この新システムなら、支援者は在宅でも筆記通訳が可能なため支援者を求めやすくなりました。
聴覚障害を持つ学生は、小学生から大学生まで含めると全国に1万人以上。産総研はこのシステムを普及させるため、パソコン上での筆記通訳技術を養成するNPO法人を設立。パソコン画面で支援者の募集や登録が簡単にできるシステムも開発しています。
(6月1日/読売新聞より) |