色覚障害のある人に配慮した色遣いや表示を心がける動きが広がっています。
テレビ用リモコンの色別ボタンの表示を改めたり、文字の大きさや色を自由に変えられるホームページを作成したりと、取り組みは様々。障害を持つ人だけでなく「誰もが見分けやすい色遣い」を広げる動きとしても注目を集めそうです。
年末には地上波でも始まるデジタルテレビ放送は、視聴者と局で情報をやり取りできるのが売り。受信機器のリモコンには青、赤、緑、黄の4色のボタンがあり、番組のクイズなどに答えられます。ところが、ボタンの色が視覚障害のある人には識別しにくいと以前から指摘されていました。こうした声を受け、家電メーカーや放送局などが加盟する電波産業会では、ボタンに「赤」「青」などと色名を表記するよう規格を改定。東芝などはすでにこの規格に合ったリモコンを発売しています。また、カラフルに工夫されたインターネットのホームページも視覚障害のある人には使い勝手が悪い場合も。特定の色が見づらく読み取りに苦労するためで、自治体などを中心に文字の大きさや色を変えられる機能を加えるところが増えています。
ソフトウエア技術者で自らも色覚障害を持つ中原ひかるさんは、パソコン画面上の知りたい色の名前をマウス操作で教えてくれるソフト「色々の色」を開発。マウスを合わせれば、日本語や英語で色名を表示したり、音声で読み上げたりしてくれます。「色や図形を使って操作するソフトが増え、視覚や色覚に障害のある人は逆に操作しづらくなった」とか。こうした動きが盛んになったのは、高齢化社会の進展もあり「不便な色遣い」への関心が高まっていることも背景にあるようです。
(7月26日/読売新聞より)
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