高齢化が契機となり、民間手動で業種を超えユニバーサルデザイン研究や事業開発に取り組もうと「国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)」が発足し、記念セミナーが12月6日、東京・銀座の日産自動車本社で開かれた。
IAUD発足(11月28日)には、電機、自動車、通信、流通、食品、繊維など業種を超えた企業109社が参加し、NPOやデザイナーも名を連ねる。
今や企業活動はユニバーサルデザインを無視できない。ハートビル法(1994)、交通バリアフリー法(2000年)など法整備が進み、研究を後押しする。
UDで注目される、トヨタ自動車の新型ラウムは、体の不自由な人も楽に乗り降りできるように、助手席側のセンターピラーを取り払い、開口部を大きくした。計器も日本語でわかりやすく、トラブル時の対処法も表示した。注目は、ユーザーとの対話を通じて開発を進めたことである。試作品の段階から公開し、ユーザーの意見を採り入れながら改良を繰り返した。
*国際ユニヴァーサルデザイン協議会:略称IAUD。UDの普及、実現を通し、経済の活性化や社会の健全な発展に貢献することなどを目的に、2003年11日28日発足。会長は山本卓真・富士通名誉会長。正会員は10社、準会員2団体、個人賛助会員16人。
(2003年12月19日/朝日新聞) |