人工肛門や人工膀胱を付けた人にとって、外出先のトイレは深刻な問題だ。人口の排泄口を付けた人(オストメイト)は、全国に20万人以上いる。TOTOの調査では、7割の人が外出先で排泄物をためる「パウチ」を交換したことがあり、半数が着替えが必要になった経験があるという。利用者は、専用のトイレや流し、着替えができる場所があればと話している。
こうした声に応え、数年前から出てきたのが、オストメイト対応のトイレだ。設置場所は自治体の庁舎や公民館、図書館、駅、百貨店、ホテルなど1500カ所を超える。ただし今のところ設置の大半は洗浄ノズルを付けただけのタイプで、、流しタイプやシャワータイプの設置は進んでいない。日本オストミー協会副会長の村山輝子さんは、「どこにいっても安心してトイレを使いたい。悩みを多くの人に知ってほしい」と語っている。
(2004年1月23日/朝日新聞) |