介助犬を使っている人などから「犬の訓練が不十分」「寄付をしたが使途が不透明」といった苦情が、NPO法人「日本介助犬アカデミー」に相次いでいることが分かりました。
介助犬や盲導犬、聴導犬は身体障害者補助犬法の完全施行に伴い、民間施設での同伴受け入れが義務付けられたばかり。ニーズの高さに育成が追いついていない実態が浮かび、同法人はホームページ上に「介助犬・補助犬110番」を設け、対応を始めました。
日本介助犬アカデミーによると、目立つのは「育成団体がつぶれたり、トレーナーが辞めたりして、継続した指導が受けられなくなった」「障害のことも良くわからない育成団体からただの犬を連れてこられた」「犬に股関節障害がある」など育成団体に関する質問。寄付した人からは「育成団体が領収書を出さない」「使途明細を出さない」などの苦情が寄せられた。
厚生労働省によると、介助犬としての届出が出ているのは37頭。同省が把握しているだけで介助犬の育成団体は全国で19あるが、介助犬が適性に育成されているかどうかをチェックし介助犬と認定する国の指定法人は3つしかない。アカデミーではトラブル回避策として「育成団体には第2種社会福祉事業の届出が求められており、行政のチェックを受ける仕組みがある。まず都道府県などに確認して欲しい」と話しています。
(10月20日/秋田魁新報より) |