指紋、手の甲、虹彩ー。防犯対策としてオートロックを解除する時に、自分の生体情報を「鍵」にした「バイオメトリクス認証」という方式を導入するマンションが増えています。映画のワンシーンのようだが、ピッキングやサムターン回しなど、外国人を中心にした悪質、巧妙な手口による不法侵入は増える一方。これに対抗するには、従来の鍵ではダメと、考案された本人確認の方法です。
導入が進んでいるのは、主に一人暮しの女性や夫婦共働きを対象にした都心部のマンションが中心。大京のライオンズマンションや東急不動産のクオリアの一部では、指紋識別システムを導入。マンションの住人は「安心だし、片手に荷物を持っている時は便利」と重宝しています。
三井不動産のパークホームズ碑文谷ロジュマンでは、眼球内の虹彩で本人かどうかを確認する「虹彩認証システム」を採用。高精度で、両手がふさがっていてもカメラを見るだけで本人確認し、入室できる仕組み。ビックヴァンのクオス銀座エスト・プルミエは、顔で認識する「フェイスキー」を導入。コンピュータが登録した顔を立体的に解析。特徴をデータとして記憶することで、ひげの有無や髪型を変えても本人確認が可能になります。この他、手の甲の静脈パターンを認識するシステムや、人が近づくと明かりがつく人感センサー付き照明、ピッキングに強いディンプルキーなど、さまざまな防犯システムが開発されています。
(10月27日/秋田魁新報より) |