目が不自由でも候補がしっかり分かるように、選挙広報を点訳した資料や、読み上げて録音したテープを配付する動きが広まっています。
社会福祉法人「日本盲人福祉委員会」(東京都新宿区)の一柳直治さんは「そもそも点字の広報がないのがおかしい。障害者の参政権が確立されているとは言えない」と話しています。全く目の見えない人は全国で10万人といわれ、一柳さん自身も全盲ではないが視覚障害があります。
今回(2004年)の参院選で、比例代表の広報を全て点訳し一万部発行しようと準備しました。 都道府県単位の選挙区の場合、多くの地域ではボランティア団体などが点訳しているが、比例の選挙広報の全文点訳は初めてといいます。
候補者は100人を超すため1冊が50ページに上ります。点字を打ち込んだ亜鉛板から1冊ごとに手作業でプレス。 「これできちんと整理された情報を得られるのでは」と一柳さんは期待しています。
長野県選挙管理委員会は、選挙広報の録音テープを初めて作ります。昨年(2003年)の長野市議選で長野市選挙管理委員会が作成したところ好評だったため、県も乗り出しました。 長野選挙区の広報を吹き込み、7月初旬には仕上げる見込みです。
名前の読み方にも一つ一つ確認作業が必要で、長野県選挙管理委員会は「内容に間違いがないようにしたい」と気を引き締めています。
神奈川県や大阪府などは前回の参院選(2001年)から録音テープに取り組んでいます。
大阪府の担当者は「選挙区だけではなく、比例の政党、所属候補名も入れている。充実していると評価されており、今回も同じように取り組みたい」と話しています
(6月22日 秋田魁新報)
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