融雪機メーカーダイワテック(北海道岩見沢市、資本金9000万円)の加茂社長(68)は、ある除雪機メーカーに勤めていた42歳の時に事故で左足が不自由になった。「定年後の再就職は難しい」と考え、85年、49歳で取締役営業部長を最後に、勤めていた会社を退職した。
会社勤めの後、障害者や高齢者の除雪の負担を減らしたいという「思い」を事業に結実させた。
雪を飛ばす除雪機を使うのは重労働で、障害者や高齢者には難しいが、地中に埋め込んだタンクに雪を落として溶かす、埋設型の融雪機なら作業は楽だと考えた。退職金などで工面した約1200万円で開発に取り組み、実際に障害者仲間に使ってもらっては利用者の声を取り入れ、3年の改良を重ねた後、国民生活金融公庫から300万円を借りて商品化、創業にこぎ着けた。
大手メーカーの参入もあったが、現在も4割のシェアを維持。現在の年商は約10億円、累計販売台数は2万台に迫り、「メンテナンスだけで食べられる」体制ができつつあるという。
(2004年10月11日 毎日新聞より) |