「特殊教育」という表現は障害のある児童生徒をきめ細かく指導するため、盲・ろう・養護学校や「特殊学級」で遣われてきた。
こうした言葉遣いには、以前から「障害者への配慮を欠いている」などとする批判があり、自治体では、「特殊教育」の担当部署名を「養護教育係」などと変えたり、「特殊学級」を「ひまわり」などと呼んだりしてきた。しかし、法律については、「適切な言い換えが難しい」として見直しが進んでいなかった。
ところが、近年、従来の特殊教育の対象に学習障害や注意欠陥・多動性障害などの児童生徒も加え、教育ニーズに応じた支援を行うという「特別支援教育」の考え方が広がった。このため、障害のある児童や生徒の教育を検討してきた中央教育審議会の特別委員会は「特別支援教育の理念を定着させるためにも、法律の用語を改める必要がある」と提唱。言い換え語の選定は文科省が行うが、「特殊」を「特別支援」に改める案などが考えられている。
文部科学省は同審議会の答申をまって、来年度にも法改正に乗り出す。
(2004年10月16日 読売新聞より)
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