静岡大学工学部の海老沢教授が、視線の動きやまぶたの開閉でパソコンのカーソルを自在に操作する「瞳孔マウ
ス」を開発。現在実用化に取り組んでいる。
瞳孔マウスは、目に入った光が網膜で乱反射し、その一部が光源の方向に戻る性質を利用。
発行ダイオード(LED)を取り付けた小型ビデオカメラをパソコン脇に設置し、
目に見えない赤外光を当てながら使用者の顔を撮影することで瞳孔の位置を検出する。
瞳孔の動きが画面上のカーソル移動に対応し、カーソルが見る方向へと滑らかに動く。
左右のクリックやドラッグ操作は、ウインクのように片方の目をつぶることで可能になる。
両目を同時に閉じる通常のまばたきやメガネの反射は影響しない。
従来の頭部にセンサー類を取り付ける方法と異なり、パソコンに向かうだけですぐ使えるのが良い。
重度の身体障害者らへの活用が期待され、既に「使ってみたい」との声も寄せられている。
海老沢教授は「システム自体は低コスト。身障者支援のほかにも、工場の生産ラインで両手が
ふさがった状態でのパソコン操作など、さまざまな分野に応用できる」と語る。
(2005年1月11日 秋田魁新報より)
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