視覚障害者の多くが歩道を走る自転車にヒヤリとした経験を持つことが、NPO
法人「コミュニケーション・スクエア21」(東京都新宿区)のアンケート調査
でわかった。車道では、交通弱者の自転車が、歩道では逆に、障害者を脅かして
いる実態が浮き彫りになった。
調査は、「人と自転車の共存・強制プロジェクト」の一環。
対象者は日本盲人職能開発センター(東京都新宿区)に通勤する視覚障害者38人。このうち33人(回答率86.8%)から回答があっ
た。
回答者の生涯の度合いは、全盲14人、ロービジョン(低視力)19人で、白杖を使い一人で歩く人23人、白杖なしで一人で歩く人9人など。
質問と回答の主なものは以下の通り。
- 歩道などを歩いていて、「ヒヤリとした体験があるか」(複数回答)
- 全員が「ある」と回答。
自転車関連が最も多く25人と4分の3を占めた。
- 「自転車と接触して白杖が曲った」放置自転車にぶつかり、軽い怪我をした」等の深刻な事例も有り。
- 横断歩道で横断中に、すぐ前を自転車や自転車が横切ったなどと答えた人が13人。
- 歩道のない道路で、トラックなどの荷台や、ミラーにぶつかるという答えも目立った。
- 自転車の接近が察知できるか
- 「音や雰囲気でなんとなくぼんやり判る」16人。
- 「全く分からない」との回答が4分の1にあたる8人。
- 自由回答
- 「自転車の人はどんな狭い歩道でも、ほとんどスピードを緩めてくれない」など、マナー違反を問う声が強かった。
同プロジェクトの報告書を1000円(送料込み)で希望者に配布している。
スクエア21(03-3350-1388)
(2005年3月22日 読売新聞より)
|