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第2回 さり気なく助ける、人にやさしい漆器
川連漆器「たなごころ」秋田県漆器工業協同組合
 第2回目の「あきた発ユニバーサルデザイン」は、秋田県雄勝郡稲川町の秋田県漆器工業協同組合の川連漆器による自助食器「たなごころ」のご紹介です。

 秋田県漆器工業協同組合では、平成10年から、秋田公立美術工芸短期大学の協力を得て、食生活が変化する中でも、普段使いの食器として使ってもらえるような、新たな市場開拓を目的とした川連漆器の商品開発事業を行いました。

 少子・高齢化社会におけるものづくりという観点から、老化による握力の低下、指先知覚の低下等の不便さを「さり気なく助ける」というコンセプトのもと、試作やモニター調査が行われ、平成12年「たなごころ」は生まれました。

 市販されている高齢者用食器の多くはプラスチックや陶磁器で、漆器のものはあまり見かけません。高齢者へのアンケートでは、バリアフリーに配慮した高齢者用食器は「外観に違和感を感じる」「便利でも使いたくない」いう意見が多っかったため、 これまでの食卓の風景のままで、手に口に馴染んだ漆の触感を楽しめる食器で、美味しく食事をすることができるように配慮したデザインとしました。

 外観は川連漆器では伝統的な2つの椀型(柿型と霞型)をベースに、椀の直径と高さを2:1の割合にし、高台の周辺部分を少しくぼませて手がかりを作り、片手でも持ちやすくなっています。種類は椀の直径が4寸(12cm)の汁椀を中心に、小鉢、飯椀、多用椀、小皿、中皿、大皿の7点1セット。それぞれが重ねやすく、片づけがしやすいよう配慮しています。

 2002年度にはグッドデザイン賞(日本産業デザイン振興会主催)を受賞し、伝統工芸+福祉という新しい分野へのデザイン提案という事で評価を受けました。今後の継続的な開発が期待されています。

秋田県漆器工業協同組合ホームページ

手前が霞型、
奥が柿型
持ち上げてみて初めて分る手に馴染むやさしい感触。
左が柿型、中央は学童向け給食用漆器、右が霞型のセット。





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